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事例じれい ・ スケールで築きずくコミュニティ

Red Bull Wololo: El Reinado

Red Bull Media House · Age of Empires · Castillo de Almodóvar del Río
レッドブル・ウォロロ
Red Bull Media House
アソシエイトプロデューサー 兼けん ストーリーズチームEP
Boombox Group
2024
課題かだい
Challenge
課題かだい

中世ちゅうせいの城しろ。Age of Empires史上最大しじょうさいだいのイベント。そして、空気くうきを外はずせば容赦ようしゃしないコミュニティ。

Red Bull Wololoは、Age of Empiresコミュニティを象徴しょうちょうする競技きょうぎイベント。El Reinadoは、その中なかでも最もっとも野心的やしんてきな一回いっかいだった。スペインのCastillo de Almodóvar del Ríoで行おこなう数日間すうじつかんのトーナメント。『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケ地ちにもなった、中世ちゅうせいの要塞ようさい。制作せいさくの規模きぼは、桁けた外はずれ。会場かいじょうは、そのために作つくられてはいなかった。

放送機材ほうそうきざいを、一車線いっしゃせんの山道やまみちで中世ちゅうせいの城しろの頂上ちょうじょうまで運はこび上あげる。複数ふくすうの言語げんごと仕事しごと文化ぶんかをまたぐ、多国籍たこくせきの制作せいさくクルーをまとめる。エンタメではなく防御ぼうぎょのために築きずかれた構造物こうぞうぶつから、世界せかい水準すいじゅんの放送ほうそうをつくり上あげる。

一番いちばんの難所なんしょは、物流ぶつりゅうじゃない。トーンだった。Wololoのアイデンティティは、コミュニティ、ユーモア、そして愛嬌あいきょうでできている。Age of Empiresの観客かんきゃくが集あつまるのは、イベントが「自分じぶんたちのもの」だと感かんじられるから。楽たのしくて、肩肘かたひじ張はらず、人格じんかくにあふれている。城しろ、この予算よさん、このスケールを前まえにすると、つい「壮大そうだい」に振ふりたくなる。ハリウッド大作たいさくのように。

それは、間違まちがった選択せんたくだっただろう。

「コミュニティの魂たましいを、スケールの中なかで守まもる。城しろは、ただのセットにすぎない。守まもるべきは、その人格じんかく。」
アプローチ
Approach
アプローチ

制作せいさくは、スケールさせる。人格じんかくは、守まもる。

戦略的せんりゃくてきな判断はんだんは、抑制よくせいだった。城しろは壮観そうかんな背景はいけいとして使つかう。けれど、制作せいさくの派手はでさが、Wololoを Wololo たらしめるブランドの人格じんかくを上回うわまわることは、決けっして許ゆるさない。コミュニティとこのイベントの関係かんけいは、壮大そうだいさではなく、親したしみやすさとユーモアの上うえに築きずかれている。

番組全体ばんぐみぜんたいの流ながれを設計せっけいした。放送ほうそうの構成こうせい、ペース、そしてショルダーコンテンツ戦略せんりゃく。すべてを、この原則げんそくのまわりに。ショルダーコンテンツは、試合しあいの合間あいまの埋め草うめくさじゃない。ともすれば無機質むきしつになりかねない規模きぼの中なかで、イベントを「人間的にんげんてき」に保たもつ、結合けつごう組織そしきだった。

最大さいだいの設計せっけい判断はんだんは、ライブの観客かんきゃくの「選択せんたく」を放送ほうそうに組み込くみこんだこと。番組ばんぐみの各所かくしょ、あらかじめ決きめた瞬間しゅんかんに、視聴者しちょうしゃが次つぎに流ながすショルダーコンテンツを投票とうひょうで選えらぶ。観客かんきゃくは、ただ見みているだけじゃない。リアルタイムで、番組ばんぐみをかたちづくっていた。各かく分岐点ぶんきてんに複数ふくすうのコンテンツを事前じぜん制作せいさくしておいたから、観客かんきゃくが何なにを選えらんでも制作せいさくの質しつは決けっして落おちない。観客かんきゃくは主体性しゅたいせいを感かんじ、制作せいさくは統制とうせいを保たもつ。

これは、ライブエンタメに応用おうようした「選択せんたくアーキテクチャ」。どの選択肢せんたくしも良よい結果けっかにつながるように設計せっけいしながら、選えらぶ人ひとには「自分じぶんが決きめた」という当事者とうじしゃ意識いしきを持もたせる、行動こうどうデザインの原理げんり。

制作せいさく
Production
制作せいさく

城しろ、多国籍たこくせきチーム、そして「ちゃんと見みてもらう」ことを期待きたいするコミュニティ

番組ばんぐみの人格じんかくを支ささえたのは、出演者しゅつえんしゃだった。Riley Knight は、AoEコミュニティへの深ふかい理解りかいと、ホストとしての自然しぜんな温あたたかさをもたらした。Soe Gschwind は、放送ほうそうの専門性せんもんせいと、それを必要ひつようとしていたシーンへの女性じょせいの存在感そんざいかんをもたらした。二人ふたりを選えらんだのは、スキルだけが理由りゆうじゃない。その存在そんざいが「このイベントは誰だれのためのものか」をコミュニティに語かたる、その意味いみのため。

僕ぼくは、番組全体ばんぐみぜんたいの流ながれを設計せっけいし、ショルダーコンテンツ戦略せんりゃくを構想こうそう・制作せいさくし、コンセプトから実行じっこうまでのクリエイティブパイプラインを管理かんりした。ライブ制作せいさくは、ディレクターの Frank Samson が率ひきいた。Red Bull Media House の制作せいさくチームと直接ちょくせつ組くんだ。過去かこいくつものRed Bullイベントを重おもねて築きずいた関係かんけい。

物流ぶつりゅう上うえの難所なんしょ。山道やまみち、城しろの中世ちゅうせいのインフラ、多国籍たこくせきクルーの調整ちょうせい。それらは、隠かくすべき障害しょうがいではなく、物語ものがたりの一部いちぶになった。制作せいさく上うえのあらゆる制約せいやくは、こう問とうことで解といた。「これは、コミュニティの体験たいけんのためか。それとも、放送ほうそうの見栄みばえのためだけか?」

ショルダーコンテンツ
Shoulder Content
成果せいか
Results
85K
ピーク同時どうじ視聴者しちょうしゃ数かず。Age of Empires II 史上最高しじょうさいこう。
記録きろく更新こうしん
これまでの記録きろくを更新こうしん(RBW 5: 77.8K、RBW 6: 76K)
esCharts データ →
コミュニティ第一だいいち
ライブ投票とうひょうが、放送ほうそうをリアルタイムで形かたちづくった
インパクト
Impact
インパクト

ゲーム史上最大しじょうさいだいのイベント。コミュニティに、忠実ちゅうじつであり続つづけたから。

El Reinado は、Age of Empires II 史上最高しじょうさいこうの視聴しちょう記録きろくを打うち立たてた。ピーク同時どうじ視聴者しちょうしゃ数かず8万まん5,000人ひと。これまでのあらゆるRed Bull Wololo、そしてコミュニティイベントを上回うわまわった。Age of Empires I のパートは、さらに8万まん3,459人ひとを集あつめた。

記録きろくは、大おおきくすることで生うまれたんじゃない。深ふかくすることで生うまれた。コミュニティのアイデンティティへ。このシーンを定義ていぎする、ユーモアと温あたたかさへ。観客かんきゃくの参加さんかを「チェック項目こうもく」ではなく「解とくに値あたいする設計課せっけいか題だい」として扱あつかう、制作せいさく哲学てつがくへ。

観客かんきゃく投票とうひょうの仕組しくみは、あることを証明しょうめいした。統制とうせいされた枠組わくぐみの中なかの「構造化こうぞうかされた選択せんたく」は、質しつを犠牲ぎせいにせずに当事者とうじしゃ意識いしきを生うむ。どの選択肢せんたくしも、同おなじ水準すいじゅんで事前じぜん制作せいさくされていた。主体性しゅたいせいは、本物ほんものだった。リスクは、設計せっけいで消けしてあった。

クレジット

ディレクター: Frank Samson

制作せいさく: Boombox Group

ホスト: Riley Knight

ホスト: Soe Gschwind

視聴しちょうデータ: esCharts

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